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2015年9月13日

実験・実習内容と
その時の情報保障、コミュニケーション方法

 こんにちは!理系ろう学生の集まり(Deaf Science Organization 通称DSO)のシモです。最近暑くなりましたね。熱中症にかからないよう、水分補給をこまめにしていきましょう。
 さて、今回のDSOコラムは4人のDSOメンバーに実験内容と、その時のコミュニケーション方法、情報保障についてを聞いてみました!
 理系学部のほとんどは実験や実習があったりします。実験や実習は危険がつきものですから、教授や友人へのコミュニケーションが重要になって来ます。
そこで、DSOメンバーそれぞれどんなコミュニケーションを取っているのか、情報保障はつけているのか・・・等の事例をまとめて、お互いに視野を広げるきっかけになれればと思い、作成しました。ぜひ、ご覧下さい。

 ※DSOメンバーの中にはろう学生もいますし、難聴学生もいます
  よって、やりやすいコミュニケーション方法もそれぞれ異なったりしてきます
  なので、学部それぞれの実験内容やコミュニケーションをみて

  「その学部はそういう実験があるのか」
  「自分の場合はこういう方法でやり取りしてるなぁ」

  など参考にして頂ければ幸いです。

DSOメンバーに聞いてみました。
実験・実習内容とその時の情報保障、コミュニケーション方法
1人目:Aさん
学部学科:理工学部電気電子工学科
聴力レベル:両耳100dB以上
大学内の会話:口話が中心。会話内容を読み取れない時は筆談
実験・実習内容:「物理学実験(1年)」「電気電子工学実験(2-3年)」を実施。
         どちらも実験用のテキストがあり、手順はテキスト通りに進める形。
         よって、実験の内容がわからず困るといったようなことはなかった。
         実験グループは事前に決められており、1年間同じグループで実験を行う。
         グループメンバーには慣れている人が多いため、口話でコミュニケーションをとった。
実験時の情報保障:特になし

2人目:Bさん
学部学科:健康科学部 福祉工学科
聴力レベル:(左)103 - (右)106 dB
大学内の会話:口話、筆談。複数の人と話す場合はほとんど筆談
実験・実習内容:3年に半田ごてや旋盤などを使ってものづくりをしたり、
        パソコンでプログラムを書いたりした。
実験時の情報保障:ノートテイク。
         1グループ6人で実験・実習を行っていた。
          比較的少人数の為、先生との距離も近かった。
          ノートテイクが書き終わるまで話し始めないように待ってくれたりしたこともある。

3人目:Cさん
学部学科:生物系の学部
聴力レベル:両耳120dB(人工内耳装着)
大学内の会話:普段の会話は口話が多い。口話で分からない時は時々筆談でやり取りする。
実験・実習内容:ヒトの組織の観察、DNA、タンパク質の定量分析 等
実験時の情報保障:実験最初の先生の説明のみPCテイクでお願いしている。
         その後の実験はノートテイクに切り替え、必要に応じてテイクしてもらっている。
         それでも全てテイク出来るとは限らず、
         実験中にコミュニケーションのズレが起きたりするところもあるのが悩みの種。

4人目:Dさん
学部学科:環境系の学部
聴力レベル:両耳100dB
大学内の会話:ほとんど口話。講義の時はノートテイクを用いる。
実験・実習内容:取り扱い要注意の検出薬品使用、氷の張った湖での氷の厚さ観測 等
実験時の情報保障:1~2年は情報保障が無く、同じ班の友人にプリントに書き込んでもらったりしていた。
         3年以降は危険な試薬を用いたり、学外実習で危険な所に行く為、
         安全面を考えてパソコンテイク、ノートテイクが付くようになった。

実験に対してどう情報を得ているかが人それぞれ異なっていることが分かると思います
自分に合った方法は何かを考えることが大事になってきますね!




---------------------------------------執筆者----------------------------------------

 シモ
 大学生

 金属材料学が専門.

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